サイバーゼロ(1997~1999)

●メーカー:アシックス ●発売年:1996~1999年
●定価:\25,000
●キーワード:ベルトストラップ(紐なし)、「履くな。これは装着するスパイクだ。」、伊東浩司

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※一部2016/5/8に加筆修正

1996年6月、同年のアトランタ五輪の代表選考会にて伊東浩司氏が200mで日本記録(20”29/当時)を樹立。その時に履いていたのは赤とシルバーを基調としたカラーの、靴紐もメーカーマークもない奇妙なデザインのスパイクでした。準決、決勝では「見るからに」アシックスのスパイクに履き替えていたことから、アシックスのスパイクであることは明らかでしたが、ミズノが同年、「クロノダッシュ」で切り開いたのとはまた違う次元のスパイクを予感させる一足でした。
アトランタ五輪でも伊東氏が履き続けたこのスパイクの全容が明らかになったのはその年末。これが初代「サイバーゼロ」。

このスパイクの特徴はなんと言っても靴紐ではなく「マジックテープ」仕様であること。リロイ・バレル氏との研究から「スピードロス・ゼロ」を目指し続けた結果、「履く」という既成概念を「装着する」と言う新規概念にシフト。スパイクシューズ内で足が横ぶれするのを防ぐのに画期的な工夫でした。また、同社では1995年発売のスープラマックスシリーズに続きプレート一枚構造となっており、複数枚のプレートだと生じる継ぎ目のひずみも防いでいました。その他、「バイパーピン標準装備」、アッパーに高強度・軽量素材をピンポイントで採用等、当時の技術の粋の結晶でありました。

私も高校で陸上を引退する友人からこのスパイクを譲り受け、幸運にもこのスパイクを履くことが出来ました。
個人的にはまずフィット感が最高でしたね。初代ゼロのアッパーは柔らかく、包み込まれているような感触。レース直前にトイレに行きたくなってもサッと脱いでサッと履ける「着脱の簡便性」も大きな魅力でした。私は2000年リリースの二代目サイバーゼロ(赤)も履いてましたが、初代の方がフィット感も履きやすさも上だったと思います(二代目はプレートの剛性は高まり反発性は向上してました)。
また、足が中でブレないからか、カーブで大げさに内傾して走れたのもこのスパイクでした。
一方このスパイクを履きこなせていたかと言うとちょっと自信がないです。本スパイクは安定性は高いけど反発はあまりもらえません。「ランニングフォーム」には、脚の力の伝える方向性で①「直下型」と②「水平型」に二分されますが、私は明らかに①タイプ。そのためサイバーゼロのような安定性の高いスパイクより、反発の高いスパイクの方が良かったと振り返ります。極めてフラット構造で自然な足運びが出来、ハムストリングへの負担が小さく400まで走れちゃったけどね。

このスパイクを履いていた印象的な選手は、やはり伊東浩司氏と小島茂之・初佳氏夫妻、それとティム・モンゴメリー氏かな。水平型の代表格、末續慎吾さんにもこのスパイクを履いたパフォーマンスを見せて欲しかったな。末續氏が反発性定評のあるミズノのスパイクを履き、ミズノがどんどんフラット構造、水平向きスパイクを開発、アシックス寄りになっていったのは、何だかもったいなかったなぁ、、、(ミズノがフラット化していく工程に反感を持った方も多かったのでは)

大学四年間履き倒し、プレートも割れてきてしまい卒業とともに廃棄しちゃったけど、もう一度履いてみたいなあ。。
(28.0~28.5cmで赤×シルバー、又は黄色×黒の美品持っている方!高価で買い取ります!)

1998年版が黄色×黒、1999年版が白×青

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最後にこのスパイクの広告も一緒に掲載します。1996年9月の陸マガの広告ですが発売はその4か月先の1997年1月!アシックスがプロモーションにも力を入れていた表れでしょうかね。
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この記事へのコメント

福村
2017年05月24日 19:27
サイバーゼロ懐かしいですね・・・
私は②水平型でしたが、爪先で引っ掻くタイプだったのでまったく履きこなせませんでした。
先進的なデザインでやたら人気はありましたが、かなりフラットなのにしなりや変形を起こしにくいためクセが強すぎ、本当にこのスパイクの良さを生かせていた選手は学生レベルでは殆ど居なかったように思います。
当時同じ地区に居た小学生・中一記録保持者だったあのスーパースターなんかは見事にこのスパイクの良さを引き出していましたね。
あれは水平型の中でも伊東浩司さんのように膝下を大きくしならせて足裏全体で地面に鞭のよう打ち付ける特殊な接地をする人にしか履きこなせないようです。
かなり後になってすり足走法・フラット着地をマスターした頃にどうにか2003年モデルを手に入れることができたのですが、2003年モデルは踵が高く、もう誰でも履きこなせる普通の高反発スパイクになり下がっていました。

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